今月22日、アフリカ南東部に位置するマラウイでエイズに感染していながら100人を超える少女と性行為をしていた男性に禁固2年の判決が下りました。
禁固刑を下された男性はエリック・アニバ被告で、マラウイの慣習である「通過儀礼」のハイエナ役でした。
このアラウイの通過儀礼や浄化儀式とは何なのか?
またマラウイのエイズ感染者などの情報をお伝えしていきます。
マラウイの通過儀礼とは?
まずマラウイの通過儀礼とは何なのか?
マラウイの通過儀礼とはマラウイ南部に伝わる儀礼で、初潮が始まった少女の親が願い出し、三日間にわたって行われます。
この通過儀礼の風習は少女たちが良き妻になるように導いて、家族を病気や厄災から守る効力があると信じられているです。
その通過儀礼の一つのイニシエイション(手ほどき)と呼ばれる浄化儀式で、女の子に対して大人の女性になることを教えるために性行為が強いられることがあるようです。
このときの相手役は「ハイエナ」と呼ばれる男性が少女と性行為をします。
親はそのためにそのハイエナ役にお金を払うことまであるそうです。
さらに文化的な信仰による影響でコンドームを使用しないといいます。
いくら昔からの儀礼とはいえ、今の時代にこのようなことが行われることには驚きしかありませんよね。
違う国の文化でしかもアフリカなのでまだ現代の感覚が通用しないというのが実際のところでしょう。
マラウイは10代からの結婚、児童婚の慣習が根付いております。
親としては娘のその早いうちの結婚に備えて浄化儀式をうけさせるわけなのです。
昔から伝わる慣習や親の強制、貧困などが複雑に絡み合って少女たちがある意味「犠牲」になっています。
世界一般的な情報不足というのも原因の一つでしょうね。
もっと世間の当たり前を知ればこのようなことはなくなっていくのものと思われますが、アフリカの国ではまだまだそれが難しいかもしれません。
少女たちの尊厳を守れるような動きが活発になるためには、こういったことは世界中の人が知る必要がありますね。
マラウイ通過儀礼の浄化儀式のハイエナ役がエイズを広げた?
今回禁固刑を言い渡されたエリック・アニバ被告は自らがHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の陽性患者だったにも関わらず「ハイエナ役」を行っておりました。
このことが世間にわかってからは国際的な非難につながり、マラウイの大統領の命令で逮捕に至り、このたび有罪が確定したわけであります。
それでも罪は禁固2年と非常に軽いものです。
エリック・アニバ被告は100人もの少女に対して性行為を行ったとのことですが、命に関わる重大なことへの判決がこの程度の刑で済むなんて信じられませんね。
しかもこのような事例で有罪判決が下りたのは初めてとのことです。
つまり、今回は世間の非難があって、国としてはやむを得ず有罪を判決を下したという感じがしてなりません。
だから罪がたったの禁固2年なのだと思います。
それだけ古くからの文化、慣習というのはその国や地域にとっては絶対的なものがあるのでしょうね。
このエリック・アニバ被告によっておそらくHIVに感染した少女がいる可能性は非常に高いと思われます。
本当なら終身刑や死刑でもおかしくないような罪ではないでしょうか。
この被告の件とは別にしても、現在マラウイではこの慣習のおかげで少女のHIV感染が拡大している状況です。
マラウイのHIV感染者は男性が5%、女性が13%と女性の方が8%も高く、15歳~24歳の女性では、男性より感染率が3倍も高いという統計報告がされております。
これだけのHIV感染の被害が広がっているにも関わらず、このような慣習が続けらることにはだただた疑問しか残りません。
早く国がなんとかしないといけない問題だと思われます。
まとめ
アフリカの古い慣習による少女たちのHIV感染被害。
今回のようにHIV感染者がまた通過儀礼として少女たちを犠牲にする可能性は非常に高いです。
大人達が止めなければならないことが大人によって広がっている問題は早急な解決が必要だと感じます。