アメリカ大統領就任以来、次々と大統領令に署名しているドナルド・トランプ大統領。
今回はその大統領令についての効力や権限について調べてみました。
また入国拒否や入国制限でダルビッシュ有選手の父への影響についてもお伝えします。
大統領令とは何？その効力や権限は？
出典：http://www.newsweekjapan.jp
まず大統領令とはどのようなことなのかをご説明します。
大統領が議会の承認や立法を経ずに直接、連邦政府や軍に発令する命令。憲法に明確な記述はないが、法律と同等の効力をもつ。第2次世界大戦のフランクリン・ルーズベルト大統領は、12年間の在職中に3522件も発令。オバマ政権では、気候変動対策の強化や化学物質管理の安全性向上など170件近く出されている。議会は反対する法律を作ることで大統領令に対抗できるほか、最高裁判所も違憲判断を出すことがある。
(2014-01-30 朝日新聞 朝刊 ２外報)
大統領が、議会の承認や立法を経ずに直接、連邦政府や軍に発令する命令。法律と同等の効力を持つ。議会は反対する法律を作ることで大統領令に対抗できるほか、最高裁判所も違憲判断を出すことができる。
(2017-01-24 朝日新聞 夕刊 １総合)
こういう文面で見ると難しく感じますが、要するに大統領が国の法律と同等の効力を持つ命令を出すことができるということです。
そうなると疑問点として、独裁者がこの権限を使いだすと国がとんでもないことになるのでは？と思ってしまいますよね。
さすがに、そこはそうならないようにはなっております。
大統領令も国の法律も憲法よりは権限が下なので、憲法において違憲と裁判所で判断されれば無効となる仕組みです。
署名した主な大統領令
次にトランプ大統領が署名した主な大統領令を羅列してみます。
・オバマケア見直し
・TPP離脱
・製造業の手続き簡略化
・パイプラインの建設プロジェクト
・イスラム圏７カ国からの入国禁止
これまで数々の大統領令を見ていると、とにかく自国のアメリカが有利になるもの、経済的に利益が上がるようなものが目立ちます。
TPP離脱はまさにその代表ですよね。
オバマケアの見直しに関しては、悪い言い方をすると、国のお金を無駄に出費したくないという考えがあるように感じます。
一時的には自国の経済に有利になるかもしれませんが、長い目で見たときに世界との付き合いや国民の信頼という部分ではどうなのでしょうか。
ジリジリと孤立してしまいかねないような気はします。
イスラム圏7か国入国禁止で違憲判断の動き
こうして現在就任してから数々の大統領令を乱発しているトランプ大統領ですが、先日のシリアなどイスラム圏7か国入国禁止に関しては、その効力を部分的に停止する連邦地裁の判断が出てきております。
またペンシルベニア州をはじめ、15の州とコロンビア特別区の司法長官が大統領令を非難し、合憲性を問う訴訟を視野に入れた動きを見せているようです。
つまり前述した憲法において、トランプ大統領の大統領令が違憲なのではないかという判断を司法の場で争うかもしれないといことになってきているということですね。
ただし、これまでの歴史で大統領令が違憲と判断されたのはたったの2回だけとなっております。
それくらい大統領令というのは覆すのが難しい仕組みになっていますし、そもそも世間の常識から外れたような無茶な大統領令を出してきた大統領がいなかったという方が正解でしょうか。
オバマ氏の時は大統領令という言葉がニュースから出てきた記憶がございません。
トランプ大統領は批判殺到の中、大統領に就任した異質の大統領です。
支持してきてもらった人たちや、批判している人たちに自分の力を見せつけてやりたいという思いが強いのかもしれませんね。
それでこうやって異例のスピードで大統領令を出しているように思えます。
自分はオバマ氏とは違うんだというところを世界に見せつけている感じですね。
アメリカファーストを公言し、実際に次々とそういった行動に移しているトランプ大統領。
まだまだトランプ大統領による大統領令の混乱は続きそうです。
大統領令の入国禁止や制限でダルビッシュの父親に影響がでている？
ダルビッシュ有選手の父親、ダルビッシュセファット・ファルサさん
出典：http://www.huffingtonpost.jp
先ほどからの話しにある、イスラム圏７カ国からの入国禁止の大統領令によって、日本人メジャーリーガーであるダルビッシュ有選手の父親がアメリカへの入国ができない可能性が報じられております。
ファルサさんはイラン出身のために、「息子の応援には駆けつけることができないかもしれないと」と話しているそうです。
これに対して、ダルビッシュ有選手は「父の渡航予定については把握していなしわからない」とコメント。
出典：http://bylines.news.yahoo.co.jp
トランプ大統領によるイスラム圏７カ国からの入国禁止の大統領令は、こうした一般の方のアメリカ入国ができなくなるという問題を抱えており、現地ではかなり混乱している状況です。
この大統領に関しては、予想される混乱をどれくらい想定していたのかがかなり疑問ですよね。
こうなることがある程度わかっていても早くトランプ色を出すために入国禁止の大統領令を出したのだと思います。
トランプ大統領は自分勝手な行動で周りを巻き込むタイプで、会社で言うワンマン社長の気質みたいなものを感じますね。
ただただ、なぜこのような人が世界をリードする国の大統領になってしまったのかが理解できません。
まとめ
就任以来次々と大統領令を乱発するトランプ大統領。
自国のことだけではなく、世界を巻き込んでの行動には批判や非難殺到です。
まだ今後もトランプ大統領には各国が振りまわされそうですが、日本も他人事ではありません。
関心を持って日本政府の対応を見ていきたいと思います。